不動産・建築用語集

  • 蹴上げ

    階段の一段の高さのこと。建築基準法では蹴上げの高さは、23㎝以下と決められている。足が乗る平らな部分を「踏み面」、階段の垂直になった部分を「蹴込み」という。

  • ケア(シルバー)マンション

    高齢化社会に対応してつくられた、高齢者専用の集合住宅。シニア住宅ともいう。夫婦用、単身用、2世代同居型などもある。敷地内に診療所や介護室、コミュニティー施設が設けられ、医師や看護士も常駐し、介護サービスも整っている。近年、首都圏などでは民間企業による高級なケアマンションも増えている。

  • 形質変更

    開発行為において、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供するためにする、開発区域内の土地の区画の形状と性質を変更する行為とその目的をいう。具体的には一団の開発素地が宅地・道路・公園緑地・公益利便施設等に変化することを指す。土地の物理的形状の変更といえば宅地等の造成工事である。

  • 珪藻土

    植物性プランクトン(藻)が化石化したもので、昔から火に強い土として、七輪、コンロ、耐火断熱レンガの原料として使用されてきた。そして現在は、ビールやお酒のろ過材として使用されたりしている。主成分はガラスと同じ珪酸質(SiO2)で、平均粒径0.05mmの土に無数の孔があいている超多孔質。しかも、0.1~0.2μの超微細孔を有するこの土は、「呼吸性(調湿性)」という最大の特性と共に、様々な複合効果を発揮する。

  • 競売(けいばい「きょうばい」ともいう)

    多くの買い手に値段をつけさせ、最も高い値段をつけた人に売る方法。一般的な不動産競売は債権者が裁判所に申し立て、債務者所有の抵当権設定不動産を売却してもらう手続きから始まる。任意競売というが、勝訴判決や公正証書に基づく強制執行による強制競売もある。期間入札で応札がなかった場合、引き続き一定の特別売却期間(東京地裁は一カ月)が設けられ、それでも売れ残れば、入札の仕切り 直しとなる。

  • 契約

    私法上、相対する二人以上の合意によって成立する法律行為。不動産売買契約でいえば「買いたい人」と「売りたい人」の意思表示によって成立する法律行為のこと。不動産に関する主な契約には「売買契約」「建築工事請負契約」「賃貸借契約」「金銭消費貸借契約」などがある。

  • 契約の解除

    民法上は、売買・贈与契約等の非継続契約と、賃貸借、雇用、委任、請負等のように一定期間継続する契約の両方について「契約の解除」という用語を用いているが、本来は、売買契約等、いったん成立した契約を一方の意思表示によって、当初に遡って解消させることをいう。契約の解除は、契約締結の際、一定の事由があるとき解除を認めるという合意をしておいた場合(約定解除権)か、履行遅滞、履行不能等、法定の事由がある場合(法定解除権)でなければ、これをすることができない。解約手付、買戻しの特約があるときも解除権の留保があったものとされる。契約解除は相手方に対する意思表示でなされるが、履行遅滞の場合にはその前に催告を要する。解除により各当事者は原状回復義務を負い、もし損害があれば賠償請求もできる。なお、賃貸借、雇用、委任、請負等の契約の解除については、将来に向かってのみその効力を生ずるものとされ、いつでも契約を解除することができるが、相手方に不利なときに契約を解除する場合は、損害賠償を支払わなければならない。

  • 下駄敷き住宅

    主としてマンションにおいて、1階や2階部分が店舗やガレージ等の用途に使われており、その上層階が住宅となっているものをいう。住宅と店舗等が一棟の建物内に存在することである。下駄敷きマンションということもある。店舗の入口と住宅の入口とが分けられる場合とそうでない場合があるが、中古マンションの評価においては、管理に関して積極的に評価されるとはいえない。

  • 欠陥住宅

    設計や施工段階を含め、住宅として当然そなえるべき性能を欠いている住宅のこと、具体的には雨漏りがする家や地盤沈下で傾いた家、手抜き工事で構造や設備に落ち度がある住宅、また建築基準法の法令を満たしていない状宅も含まれる。

  • 結露

    空気中に含まれている水分が建物の内部や壁面、窓ガラスなど冷たい物に触れて水滴となって付くこと。住宅内では冬期に暖房器具によって水蒸気が出る為、北側の部屋や外壁に面した押入の中に結露が起きやすい。結露は住宅を傷める原因ともなるので、室内の換気をよくして高湿度になるのを避けたり、断熱性能の高い壁材や窓を使うと効果的。

  • 蹴込み

    階段の垂直になった面のこと。

  • 検査済証

    建築確認申請を取得した建築物件に対する完了検査の結果、合格した物に建築主事等が交付する証明書のこと。

  • 現状回復義務

    契約によって履行された給付をその解除によって契約前の状態に戻す義務をいう(民法545条1項本文)。契約の解除は、有効に成立した契約の効力を当初に遡って消滅せしめるものであるから、契約によって給付がなされていれば、それがなかったときと同一の状態(原状)に戻す義務を生ずる。ただし、物が第三者に転売されているような場合には、解除によってその所有権を奪うことは許されない(同条同項但書)。原状回復の方法は、物を給付したときはその物自体か、それができないときは解除当時の価格を返還すべきであり、金銭給付の場合には、受け取ったときからの利息を付して返還しなければならない。

  • 現状有姿売買

    不動産取引で、売買契約書中に「現状有姿(のまま)」「現状有姿にて引き渡す」等の文言が記載されることが少なくないが、その意義、具体的な内容については業界でも定説がない。現状有姿は、引渡しまでに目的物の状況に変化があったとしても、売主は引渡し時の状況のままで引き渡す債務を負担しているにすぎないという趣旨で用いられることが多いが、単に現状有姿との記載があるからといって、これをもって直ちに、売主の瑕疵担保責任の免責についての合意があるとまではいえない(宅建業法40条、民法570、566条参照)。

  • 建築確認

    建築物を建築しようとする場合には、建築主はあらかじめ、その計画が建築物の敷地、構造および建築設備に関する法令に適合するものであることについて、建築主事の「確認」を受けなければならない。建築確認申請を受けなければならないのは、 (1)特定の用途または一定の規模以上の建築物を建築し、または大規模の修繕もしくは大規模の模様替えをしようとする場合(建基法6条1項1号~3号)、 (2)都市計画区域(都道府県知事が指定する区域を除く)内、または都市計画区域外で都道府県知事が指定する区域内において建築物を建築しようとする場合である(同条1項4号)。

  • 建築協定

    環境保全や個性的な街づくりを目的に、土地の所有者全員の合意によって、建築基準法などに重ねて一定の制限を加えること。住宅地としての環境や商店街としての個性などを維持・増進するために、土地の所有者および賃貸人など全員の合意により、建築物の敷地や構造、用途、形態、デザイン、意匠などについて協定をつくり、特定行政庁が認可するもの。建築協定に同意した土地は、「建築協定区域」となり、土地の所有権や借地権などが移動した場合も、建築協定の効力はおよぶ。建築協定は運営委員会によって自主的に運営される。建築協定の締結や変更は全員の合意が必要だが、廃止には過半数の合意で可能。

  • 建築条件付き宅地

    売買契約の際に「契約後3カ月以内に住宅の建築の請負契約を締結すること」を条件として、土地の売買契約を結ぶことで、「建築条件付き宅地」ともいう。建築請負契約が成立しないと売買契約は白紙に戻り、それまでに支払った代金は返却される。この建築請負契約での請負人(建築業者)は、「土地の売主」か「売主の100%出資の子会社」か「販売代理」の三者に限られる。購入者が勝手に建築業者を見つけてきて、その業者に頼むことはできない。

  • 建築面積

    建築物の建っている面積のことで、1階の床面積にほぼ等しい。建築面積は、建築物の外壁またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積とされている。

  • 建ぺい率

    建築物の建築面積の敷地面積に対する割合をいう。建築物の敷地内に一定割合以上の空地を確保することにより、建築物の日照、通風、防火、避難等を確保するため、都市計画区域内においては、用途地域の種別、建築物の構造等により、その最高限度が制限されている(建基法53条)。

  • 権利金

    借地契約または借家契約締結の際広くみられる慣行で、賃借料以外に賃借人が地主・家主に支払う金銭。敷金と異なり、契約終了後返還されない。

  • 権利証

    権利に関する登記済証のことを略して権利証という。広義には登記所から登記済の証明として交付を受けたすべての書面を登記済証というが、権利に関する登記済証とは、登記名義人がその権利を保存、設定、移転等により取得した登記の際、登記所から登記済みの証明として交付を受けた書面をいう(不動産登記法60条)。当該権利の登記名義人たることを表象する書面であり、その人が将来登記義務者として登記申請する場合には、その申請意思の担保として添付を要求される(同法35条1項3号)。もし登記済証が滅失、または紛失したときは保証書によることになる(同法44条)。なお、所有権の登記ある不動産にについての合筆、合併登記の登記済証は、その権利に関する登記済証として扱われる(同法60条1項)。