不動産・建築用語集

  • 言い値

    不動産取引において、売主が媒介業者に提示する希望売出価額。

  • 遺言

    死後、法律効果を発生させることを目的として、本人の独立の意思に基づき、法律に定められた方式に従って行われる意思表示をさす。一般には「ゆいごん」ともよばれる。遺言は本人の死亡によって法律効果を発生するが、遺言によりその死後にも自己の財産を自由に処分できることになる。これは遺言自由の原則とよばれる。

  • 遺産分割

    被相続人の死亡後、残された財産(遺産)を共同相続人間で配分することをいう。分割の場合は、遺言または法律の規定による相続分で決まるが、共同相続人中被相続人の事業や療養に寄与した者には寄与分が加味される。ただし、これらによって具体的に誰がどの財産をどれだけもらうかは、遺産の種類・性質、各相続人の年齢・職業・心身の状況その他一切の事情を考慮して、相続人間の協議によって決められる。もし寄与分や分割の協議が調わないときは、家庭裁判所で決めてもらうことになる。

  • 異常硬化

    住宅建築工事の際、コンクリート、モルタル、左官材、接着剤、塗料等建物の一部を形成する材質の硬化が不充分なため、所定の強度が得られないことをいう。建築現場は工場内部と違い、気温や湿度、風雨や日照等いろいろな外的な要因を受けやすく、特に水分の蒸散によって硬化を促進させる水硬性の材料(例えばコンクリートやモルタルなど)は、硬化養成中の温度が低過ぎたり高過ぎたりすると、外見からは十分硬化しているように見えるが、硬化不充分な場合がある。

  • 遺贈

    遺言者が遺言によって、その財産の全部または一部を処分することを遺贈という。遺贈によって利益を受ける者を受遺者といい、遺贈を実行すべき義務を負う者を遺贈義務者という。遺贈は遺言の効力発生の時、即ち遺言者の死亡の時にその効力を生ずるが、その時以前に受遺者が死亡した場合は、効力を生じない。遺贈義務者は、原則として相続人である。遺贈は、無制限に認めるられるものではなく、相続人の遺留分を害することができない。遺贈は相手方ののない単独行為である点において贈与と異なるが、贈与者の死亡によって効力を生ずる死因贈与については遺贈の規定が準用される。

  • 位置指定道路

    位置指定道路とは、幅員が4メートル以上の私道で、一定の技術的基準に適合するもので、特定行政庁からその位置の指定を受けた道路をいう。この位置指定道路は建築基準法上の道路と認められる。位置指定道路と認められると、接道義務を果たしていることになり建物を建てられるようになる。なお業者が行政の指導の下に宅地開発を行ってできた道路のことを指すこともある(いわゆる開発道路)。

  • 一時金

    不動産の賃貸借等の契約に際し、借主から貸主に授受される金銭、たとえば権利金・敷金・保証金・建設協力金・更新料・条件変更承諾料・増改築承諾料・名義書替料などをいう。一時金には預り金的性格のもの・賃料の前払的性格のもの・権利の譲渡的性格のものなどその法的性格はいろいろで、とくに賃料または借地権等の鑑定評価において問題とされる。

  • 一団の宅地建物の分譲

    宅地建物取引業者が、10区画以上の一団の宅地または10戸以上の一団の建物の分譲を行うことを「一団の宅地建物の分譲」という。

  • 一発登記

    契約時に、契約から登記、引き渡しまですべて完了する不動産売買をさす業界の俗語。通常は、手付金(契約時)、中間金、残代金(引き渡し時)の流れとともに、数ヶ月の期間を要して行われるものが、一度に登記まで完了してしまうので、こう呼ばれている。自己資金で金額をまかなうほか、何らかの事情によるもので、きわめてまれなケース。売主や業者側は、手間が省けるとともに早期に資金を回収できるためメリットが大きい。

  • 一般定期借地権

    平成四年に施行された新借地借家法で認められた権利。従来の借地法では土地を一度貸して借り主が建物を建てると、なかなか返還されないと言う弊害があった。そこで五十年以上の存続期間を定めた場合、期間満了後は、必ず土地を返還する事を内容とする借地権制度が生まれた。また契約終了後は建物を取り壊し、更地にして地主に返還する。

  • 一般媒介契約

    一般媒介契約とは、媒介契約の一種で、依頼者(売主や貸主)が複数の宅建業者に重複して依頼できる媒介契約をいう。依頼者は、1業者に限定することなく媒介を依頼でき、また、自ら取引相手(顧客)を探して売買や賃貸借契約を結ぶこともできる。この契約には、当初依頼した業者に対して、重複して依頼した他の業者に関して、明示する義務があるもの(明示型)と、明示する義務のないもの(非明示型)とがある。依頼を受けた業者にとっては、他の業者に対して独占的にその取引の媒介業務を行うことはできないが、業者間で物件情報を共有することで、物件を探している顧客に対しては、幅広い情報の中から紹介できるというメリットがある。

  • 一般保証業務

    宅地建物取引業保証協会等がその社員である宅建業者との契約により、その宅建業者が受領した支払金または預り金(いかなる名称で授受さえるかを問わず、宅建業者がその相手方から、その取引の対象となる宅地または建物に関して受領する金銭をいう。ただし、受領する額が50万円未満のもの、保全措置が講じられているいる手付金等、登記後に受領するもの、および報酬は除かれる)について、その返還債務などの債務を連帯して保証する業務をいう。保証協会がこの一般保証を行う場合は、建設大臣の承認を受けなければならないこととされている。

  • 移転登記

    土地・建物などの権利が所有者以外に渡った時に行われる登記のこと。

  • 委任・準委任

    不動産売買場契約の法律行為を他人に委託することを委任という。法律行為以外の事務の委託をすることを準委任という。不動産売買契約にの仲介などは準委任と解されているが、準委任には委任の規定が準用されるから、民法上は両者に大差は無い。委任自体も契約であり、通常委任事項を明記した委任状またはこれを記載しない白紙委任状が交付される。委任はとくに報酬を定めない場合は無償とされるが、費用は前払いを受けることができ、立替えたときはその額と利息を請求することができる。委任契約は、受任者の死亡、破産、禁治産の宣告によって終了するほか、当事者双方はいつでも解除でき、遡及効果はない。

  • 違反建築物

    違法建築とは、建築基準法またはこれに基づく法令や条例に違反して建てられた建築物のこと。違法建築ともいう。家屋を建てる際には建築確認を取得しなければならないが、その後の増改築などで容積率がオーバーしたり、斜線制限に抵触したり、違法となってしまった建物をいう。中古住宅などでは増改築により違法建築物となっている場合がある。違法建築物であっても売買はできるが、行政による是正指導に従わなければならない場合もあり、建替え時には同等の建物は建てられない。また、再建築が不可能な場合には、不動産広告に「再建築不可」等の表示が義務づけられている。

  • イーピーエス

    Electric Pipe Shaft(またはSpace)の頭文字。マンションやビルなどの電気系統の設備工事において、電気の幹線を通すスペースをさす。IT化の進展で戸建て住宅でも需要がはじまっている。

  • イメージ広告

    企業の考え方など、その供給する商品の背景を一般消費者に知らせ、企業の名声またはイメージを高めるための広告でイメージ広告ともいわれる。不動産広告の場合、物件(商品)広告には必要な表示事項の記載義務が課せられるが、企業広告には記載義務がない。物件(商品)広告とは理論上区別されるが、不動産の場合はこの両者が組み合わされたものが大半を占め、物件広告として取り扱われることが多い。

  • 違約金

    契約を一方的に放棄したり、債務不履行があった際に、約束に反した者が支払う金銭のこと。違約金は契約時に支払う金額まで定めておかなければならない。

  • 入母屋屋根

    屋根形式のひとつで、屋根の上部が切妻屋根、下部が寄棟屋根のようになっているもの。伝統的な日本家屋で一般的に見られた屋根。

  • 遺留分

    一定の相続人のために法律上必ず留保しなければならない相続財産の一定部分のことで、死者の財産に依存して生活している一定の相続人の生活を保障するためのもの。兄弟姉妹には遺留分がなく、直系尊属のみが相続人であるときは相続財産の3分の1、その他の場合は2分の1になる。遺留分算定の基礎となる被相続人の財産は、相続開始のときの財産額に生前に贈与(相続開始前1年間のもの、およびそれ以前でも当事者双方が遺留分を侵害することを知りながら贈与したもの)した財産の価額を加え、それから債務の全額を差し引いたもの。遺留分権利者は、遺留分の範囲内ですでに給付した財産の返還を請求し、また給付しない財産に対する請求を拒むことができる(遺留分の滅殺)。遺留分の放棄は、被相続人の生前においては家庭裁判所の許可を受けなければならない。

  • 印鑑証明

    届け出ている印鑑であることを証明する官公庁等の書面。印を押した文章の作成者が本人に間違いないことを証明する時に使う。また、届け出してある印鑑を実印と言う。

  • 印紙税

    印紙税は、印紙税法に定められている別表第一の課税物件表記載の事項に従い、 契約書その他の課税文書を作成した場合に、当該文書に原則として印紙を貼付消印して納付する国税である。 なお、不動産の媒介契約書は委任状に該当するものとされ、 非課税文書であるが、期限までに相手方が見つからないときには買い取る等の特約をつけると、 その記載内容によっては課税されることがある。

  • インテリアコーディネーター

    インテリアコーディネーターとは、住まいのインテリアに関する総合アドバイザーをいう。住まいのインテリア計画を作成し、インテリア商品選択のアドバイスをする。インテリア商品は、照明器具、カーテン、家具、住宅設備など広範囲におよび、個々の選択とトータルコーディネート、見積などを行う。インテリアコーディネーターの資格は、社団法人インテリア産業協会が実施する試験によって認定される、通産大臣認定の資格である。

  • インテリアプランナー

    インテリアプランナー制度は、建築物のインテリアの設計および工事監督に携わる高度な専門技術者を育成するため、(財)建築技術教育普及センターが建設大臣の認定を受けて実施しているもので、同センターが行うインテリアプランナー試験(インテリアの設計等に関する専門の知識や技術についての試験)に合格し、その登録を受けた者にインテリアプランナーの称号が与えられる。

  • インテリジェント・シティ

    複数のインテリジェント・ビルで構成される新都市。ビルのIT化やエリア内のネットワークなどの高度情報化機能だけでなく、ゆとりや遊び空間などもあわせもつ。幕張や品川などのベイエリアのほか、2003年開業予定の汐留、六本木の旧防衛庁跡、旧テレビ朝日跡など。

  • インテリジェント・ビル

    高度情報化社会に対応して、本格的にニューメディアを導入し、テナント共用の情報通信施設等の高度の情報機能を備えたビル。主に賃貸用のオフィスビルとして活用する。1970年代からアメリカに出現し、昭和58年ごろからわが国でもみられるようになった。東京芝浦の東芝ビルなどはその代表的なものである。一般的には地下室などに大型ホストコンピューターを設置し大型の情報を入力、全フロアに情報ネットワークを張りめぐらし、テナントはオフィスに入居するだけで、コンピュータ機能などのサービスを受けられる。テナントの情報機能を画期的に高めるもので、ビル業界の新しい開発テーマのひとつとなっている。